第1回吃音勉強会「当事者研究の紹介と実践」

4月19日に第1回吃音勉強会を開催いたしました。タイトルは「当事者研究の紹介と実践」というもので、当事者研究についての勉強会でした。前半1時間で当事者研究についての私が講義をした後、後半1時間30分で、参加者全員で吃音に関する当事者研究を行いました。

初めての勉強会の主催&初めての当事者研究会の進行役は、正直とても難しかったです。未熟な点も多々あり、当事者研究の魅力がうまく伝えきれず、参加者の皆様には本当に申し訳ない部分も多かったのですが(皆様からの「楽しめた」というアンケート結果に救われました)、しかし、同時に、どちらもとても自分にとって貴重な経験になりました。次に主催する勉強会では、今回の反省点を踏まえて、よりわかりやすい勉強会に出来れば、と考えております。



当事者研究は、2001年に始まった比較的新しい取り組みですが、瞬く間に大きく広がりを見せ、ここ十年あまりで様々な人たちやグループの間で、展開されるようになりました。2年前には、『吃音の当事者研究』(向谷地生良・伊藤伸二)という素晴らしい本も出版され、当事者研究の吃音への可能性が開かれました。しかし、『リハビリ の夜』(熊谷晋一郎)や『発達障害当事者研究』(綾屋紗月・熊谷晋一郎)のように、専門家の見解や一般的な説を乗り越えた解釈や考察・理論化を志向する吃音の当事者研究はまだ本格的にはなされていないのではないかと思います。僕自身は、当事者研究はかなり吃音と相性が良いのではないかと考えており、『ひょっとしたら、吃音の世界から当事者研究の新しい可能性が開くことができるかも』と、勝手に期待もしています。いつの日か、今度こそ、当事者研究をもっと上手に言友会に紹介したい(というか、僕自身が吃音者同士で当事者研究をぜひやりたい)、と考えています。