吃音ワークショップ2016in埼玉

 

報告&感想集

 2016年9月17~19日、大好評のうちに開催された吃音ワークショップin埼玉

 ここでは、そのレポートや感想をまとめて掲載いたします!(原則として匿名、一部実名)

(レポートおよび感想は随時募集中です!投稿があり次第、厳選のうえ匿名にて掲載させていただきますので、どしどしお寄せください。

 あて先はsaitamagenyukai@gmail.comまで。)

【報告】

《総合》

(1)埼玉言友会・全言連共催で、9月17日(土)~9月19日(月・祝)に、第50回言友会(げんゆうかい)全国大会「吃音ワークショップ2016in埼玉」を開催しました。

 大会には、全国から約200名の吃音者が参加されました。3日間、たくさんのイベントで大いに盛り上がりました。

 また、今回のイベントは、毎日新聞の記者の方や医学書院の編集者の方など、報道関係の方々も多く来場され、メディアでもかなり大きく取り上げられました。今回のイベントに関心を持ってくださいました報道関係の皆様に、この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。

 50周年という大きな節目でしたが、『吃音の世界に〈対話〉の考え方を導入したい』、というのが、今回の大きなテーマでした。

 近年、精神看護の世界では、当事者研究・オープンダイアローグなど、〈対話〉に基づいた取り組みが、急速に注目を集めています。また、今年四月には、『障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)』という、対話の思想(合理的配慮)に裏づけされた法律が、日本で始めて施行されました。

 こうした観点から、今後言友会も、〈対話〉の方向に舵を切ることができるように、という願いをこめて、本大会を開催しました。今回、ゲスト講演者の二名の先生(熊谷晋一郎さん・平田オリザさん)を、吃音の外の世界から連れてきたのも、そういう狙いでした。

 言友会には50年もの歴史があります。これまでもたくさんの話し合いが行われ、その中から、『吃音者宣言』のような思想が生み出され、また、竹内レッスンなど、吃音の外の世界の人たち(演劇の世界)と交流を重ね、実存の思想を鍛えてきました。

 しかし、社会に向けての〈対話〉という意味では、まだ言友会は、歩みを始めたばかりではないかと思います。また、吃音者内部での〈対話〉も、依然として、重要な問題として残っています。

 平田オリザさんの講演の最後で、アウトサイダー・アートについてのお話がありました。障害者たちの取り組みや芸術が、社会の中で担っている役割についてのお話でした。

 『言いたいことが言えない』という生きづらさを抱えている私たち吃音者たちが〈対話〉を重ねることで、もしかしたら、〈対話〉そのもののあり方や〈言葉〉そのものについて、社会に向けて、新しい問題提起や、新たな可能性を提示することが、きっとできるのではないかと思います。

 何も主張することができない相対主義の中に回収されるのでもなく、排他的な思想に凝り固まるのでもなく、〈対話〉によって、〈他者〉と語り合い、違いの中に喜びを見出しながら、私たち自身の吃音の問題について考えを深めること。〈対話〉によって言葉をひらきつつ、実存の思想を鍛えること。

 吃音の世界には、まだまださまざまな問題が山積みです。しかし、本大会が節目となり、これから〈対話〉によって、吃音の世界から、さまざまな言葉や思想が生まれることを期待しています。

 吃音者の〈対話〉は、まだまだこれからです。〈対話〉による異化と統合の実践で、ぜひ、吃音者の、新しい〈言葉〉を、作っていきましょう。(20代男性、埼玉)

 

※以下は大分言友会の会報「かぼすなかま」2016年10月号(通巻105号)より、ご本人の許諾を得て転載させていただきました。
          
(2)とにかく怒涛の3日間でした。自分の都合で早めに航空券を買えなかったので,初の高速バスで東京まで15時間の旅で向かいました。22時頃まで電気が赤々着いていて寝ることは叶わず,結果3時間しか寝れなかった上に腰が・・・。もう,たぶんこりごり。
 そうこうして,会場に到着するや埼玉や協力者の方々が準備に頑張っておられました。九州から来たのに明らかに温度が違う。いや,熱気か解りませんがとにかく暑かったです。
 そんなことを思う暇はなく・・・まずは,本の販売,そして今回「言友会が出来て50年」ということで全言連の中でデザインから作成したT シャツの販売の準備に取り掛かりました。自らも2 つ購入しましたが,直ぐに汗びっしょりになりました。
 今回はビデオ係りでしたが,急遽会場作りに手が足りないとの声がかかり大至急数名にお願いしてほしいと埼玉の方から話があり急遽,数名の方に依頼をして手伝っていただきました。急なことにも協力していただいた方には感謝しています。そんなのでビデオはできないと判断をして,おおさか結言友会のHさんにいきなりでしたがビデオ担当をお願いしました。それにも関わらず快く引き受けていただきありがたかったです。
 埼玉の方々の頑張りにも触発されてプログラムの準備や販売などでとにかく動きました。その為に2日目の藤原さくらさんトーク&ライヴと3日目の進行しか参加できませんでした。それでも良かったです。フリートークでは山本議員さんに自分の思いを質問しましたし,若いSくんらとの斬新なトークも良かったです。さくらさんの時間では事前の打ち合わせに入
らせて頂いたり,皆で机の撤収をしてスペースを寄せることをしました。私がさくらさんを呼ぶことを提案したばっかりに埼玉で交渉を担当した方には大変な思いをさせてしまったという思いと,なんとか無事にトーク&ライヴが終わる・・・という時にホッとしたのか自然と涙が出て来ました。
 また,3日目の「言友会の未来予想図」を皆で出し合えたことも楽しい時間になりました。率直な本音であり,今後の活動の参考にしたいし,もっと多くの方々と語り合っての活動がしたいと思いました。
<吃音ワークショップ・ワールドカフェで印象に残った言葉のメモから,抜粋>
「事務所を残して欲しい。」「言友会からビジネスを」「翻訳機ができたらいい」「全言連とうぃーすたでサンクチュアリを作る」「多様性を認める」「中高校生つどいの全国大会(世界大会)」「国はどんどん研究者に研究費を」「すなっくをつくる」「他の障がい者との交流」「吃音をテーマにしたお金稼ぎ(音楽等)で、吃音者の研究者に回す。」「世代を超えて交流」「24 時間テレビでアピール」「吃るロボットをつくる。」「言友会バンド」「言友会の歌を作りたい。」「心の内を語り合える場」「女性のパワー」「0~3 歳の幼児が吃音にならないために研究を」「言友会から国会議員を出したい。」
(40代男性、福岡)
     
《プログラム別》
・開会式
 初日の開会式は、全国各地から90名程が参加され、9月半ばとまだ残暑の中、空調管理の効かない体育館で行いました。 開会式は、主に実行委員長の挨拶・諸注意等を参加者の前でスピーチしました。
 以下の様な内容で途中アドリブも入れながら実行委員長の挨拶をしました。

 みなさまこんにちは!

 全国言友会ワークショップ2016n埼玉実行委員長の鶴岡です。

 本日は、全国各地から埼玉県伊奈町までお越し下さいましてまことにありがとうございます。

 埼玉言友会でワークショプを開催するのは、初めてであり私自身もワークショプ主催・参加するのも初めてです。 

 私は、言友会と出会ってまだ2年余りですが、まさか全国大会でこの場に立つとは、思ってもいませんでした。

 そんな中、皆様の大勢のご参加で、今日の日を迎えられた事に大変、嬉しく思います。

 今回のワークショップは、言友会創立50年の記念の大会にもなります。

 ワークショップは、毎年行われ全国各地から吃音当事者が集います。

 やはり吃音と付き合う中で「治療を目指す人」・「吃音と向き合いながら生きていこうとする人」等色々な考え方の人がいます。 

 年齢層や立場の異なる人によっては、人生経験により驚く程吃音との向き合い方・考え方が違ってきたりします。

 それぞれ異なった立場の人々と吃音に対する考え方をお互いに受け入れて学習して行こうと言うのが今回のメインの「対話」と言う事になります。

 このテーマを踏まえ沢山のイベントをご用意しました。 

 シンポジウムや講演会などでは、吃音当事者以外の方との意見交換をする機会もあり「対話」を通じて何か新しいヒント「希望や目標」が生まれてくるかもしれません。

 これから先も吃音と立ち合う中で自分の想いを伝え客観的に受け入れて参加者一人一人が笑顔で過ごせる大会になれば良いなと思います。

 この出会いを大事にしてもらいたいです。

 この三日間、特に二日目は、とても魅力のあるイベントが盛りだくさんです。

 二日目の参加者も初日以上に大勢みえますのでトラブルなどのないよう配慮し進行がスムーズに行えるようにスタッフ一同対応致しますので、皆様のご協力もお願いいたします。

 この後、早速出会いの広場のイベントがあります。

 緊張してる人も要るでしょう。 自分もその立場です。

 進行役のお方が盛り上げるのがとても上手なので、こう言う場に慣れないひとでも打ち解けられるように配慮してありますので、安心してて下さい。

 それでは、3日間最後までお付き合いよろしくお願いします!

 人前での挨拶は、とても緊張しましたが参加者の皆さまが熱心に耳を傾けてくれ最後に拍手してもらえたので無事にやり遂げられて良かったです。(大会実行委員長・鶴岡)
     
・女王陛下からのお手紙朗読
(1)開会式の後は「エリザベス女王のお手紙紹介」を行いました。進行はK、朗読はTさん(埼玉言友会)が担当。吃音であったジョージ6世の半生を描いた「英国王のスピーチ」が2011年にアカデミー賞を受賞して以来、全言連から毎年のように女王陛下にお手紙を出しています。2014年の愛知WS、2015年の愛媛WSでは女王陛下から大会に対して激励のメッセージを賜りました。言友会創立50周年記念大会である今年の埼玉WSにも激励のメッセージをお願いしましたところ、3年連続でメッセージを賜りましたので、Tさんに朗読して頂き
ました。メッセージの最後は「この盛大な記念式典と吃音に関する講演会や分科会に参加される全ての方々に、女王陛下の心温まるお気持ちをお伝えいたします。」との言葉で締めくくられていました。エリザベス女王と埼玉WS参加者の心が一体になった瞬間でした。
(50代男性、愛知)
     
(2)エリザベス女王陛下という権威ある偉大な方の手紙を朗読させて頂き、とてもいい経験をさせて頂きました。緊張し、あまりうまく朗読できませんでしたが、皆さんが暖かく聞いてくださったおかげで無事に最後まで朗読できました。
 また、お手紙からエリザベス女王陛下の吃音という障害をもつ者に対するお心遣いを感じとることができ、感動したと共に強く励まされました。この経験を生かし、今後は吃音をマイナスだけに捉えるのではなく、前向きに吃音と向き合っていこうと思います。また、この手紙のやりとりを続け、伝えていくことは吃音者の心の支えになると思うので継続していけることを切に願っております。(20代女性、東京)
     
・出会いの広場
 今回出会いの広場では初日と言うことで総勢50名以上の方が参加されました。
 参加者が自然な形でより多くの人と話してもらいたい、そう思い『運命の人見つけゲーム』をしました。
 内容は参加者全員にトランプを一枚ずつ配り同じ数字とマークの方を見つけてもらうゲームです。
 そこで普通にトランプを配るのでは面白くないので配ってる最中ミスターチルドレンのシーソーゲームを歌うサプライズをしました。そこでは予め何人かの方に声をかけて盛り立ててくれるように頼んでおいたので気持ちよく歌えました。
 最初少し心配してましたが、ゲームが始まると皆さん積極的に色々な方に話しかけてて良かったです。
 最後に早くペアの方が見つかった順番にマイクを渡して自己紹介をしてもらいました。
 皆さん吃音があっても堂々とそして楽しそうに自己紹介をしていた事が印象に残りました。
 今回ワークショップでは出会いの広場と夕食の司会を担当しましたが、司会より皆んなを楽しませるようなゲームのほうが自分には向いてると感じました。(30代男性、神奈川)
     
・シンポジウム「障害とは何か」

 (1)熊谷晋一郎先生の講演は、多数派のルール、多数派のモデルに合わせるべきという圧力の中でいかに少数派が独自のモデルを構築していくかというお話があり、それが身体の運動の仕方でも、コミュニケーションの方略にも言えるとのことでした。そこで無意識に多数派に無理をしても合わせることが当然という観点を持っていたことに気づかされはっとしました。少数派が生きやすい柔軟な社会にするにはどうすべきか考えさせられました。

 後半は各テーブルで感想のまとめをし、吃音の問題との共通点があるという意見が多かったです。(20代女性、埼玉)
     
(2)熊谷先生の講演では、吃音と脳性麻痺との共通点など、吃音に合わせたお話もしていただきとても勉強になりました。
 前半は熊谷先生に講演していただき、後半はグループに分かれて感想を話し合って模造紙に書き、その内容についてその場で熊谷先生からコメントしていただきました。その場でコメントしていただいたことで双方向に意見交換ができ、とても貴重な機会となりました。
 熊谷先生は、吃音の当事者ではなく、吃音を専門とされているわけでもありませんが、だからこそ気が付く視点がたくさんあると感じました。また吃音研究とは別の視点から吃音について捉えることで、吃音についての考え方もより深まったと思います。熊谷先生が専門とされている当事者研究は、吃音とも関連が深い分野だと思います。吃音者の経験の意味を非吃音者にとってもわかりやすいように考察していくことには意味があると感じました。多数派に無理して合わせるのではなく、少数派が独自のモデルを構築し、少数派・多数派が相互に理解し合うことで少数派が生きやすくなるというお話がありました。
 様々な年代の様々な職種の様々な個性を持った方々と意見を交換できるということは吃音者の集まりの大きな強みだと思っています。それに加えて吃音にはまだ応用されていない分野で大活躍されている方々から学ぶことで更にそれを上乗せすることができるのではないかと思いました。(20代男性、東京)
          
・各地言友会紹介
 一日目の夕食時に各地言友会紹介を行いました。
 短い時間での紹介をお願いしましたが、皆さん上手くまとめてPRしていたと思います。
(50代女性、神奈川)
     
・分科会Ⅰ
(からだとことばのレッスン)
 レッスンは私を含めて26名で、和室で行われた。
 共同講師のYさんが列車の遅れで来れなくなった。
 まず、参加者一人一人に、今の気持ち、参加の動機、どんなことを期待して参加しているのかなどどんなことでもいいので話してもらった。自己紹介を兼ねている。

 そして、実際に動き始めた。部屋の中を自由に動いてもらった。自分のからだに注意することから全身のリラクゼーションを始めた。「野口体操」や声を出すことでリラックスしていくやり方である。

 少しリラックスしたところで、歌を歌った。「ウサギとカメ」の歌である。この歌はウサギとカメの対話の歌になっているので、二人組になりそれぞれの組でウサギかカメになってもらった。そして歌でもことばでもいいので、声を出して対話してもらった。
 その際に声を外へ出すこと、相手にかけることを強調した。

 私は普段クラウン(道化)のレッスンを中心にやっているので、これまでのレッスンの経験者二人に「赤い鼻」をつけてもらった。
 みんなの前で「赤い鼻」をつけてどのように変身するのか見てもらった。
 見ている人たちの感想は素朴なもので、「からだ」が先に動き、「ことば」はそれに続いて出てくるというものがあった。

 その後8,9人ずつの3グループに分け、それぞれのグループで一人一人「赤い鼻」をつけ自由に喋ってもらった。そしてそれぞれのグループで感想を話してもらった。
 からだ全体で動きながら声・ことばを出す人も出てきた。

 最後に全員で輪になり、一人一人立ってみんなの前で今の「感じ・状態を」話してもらった。
 一番最初に話してもらった時よりは、全体的に楽に話しているようだった。
三好哲司(からだとことば研究所)
    
(女子会分科会)         
 女子会分科会は、17名の参加者があり、始めに一人一人じっくり自己紹介をしました。さまざまな経験があってこの分科会の参加に繋がっているということがわかりました。

 その後は色々な話題で話し合いました。短い時間でしたが経験談やそれに対しての思いを共有できたと思います。(20代女性、埼玉)

 

(マインドフルネス入門)

 2016年9月に開催された吃音ワークショップで「マインドフルネス入門」の分科会を担当いたしました。
 「マインドフルネス」は、「気づき」を表す言葉で、私は心理療法の観点からマインドフルネスに関心を持ち、大学院での研究や自身での瞑想実践(マインドフルネスは日常的にもある体験ですが、瞑想を通して習得されていくものでもあります)を行ってきました。
 これまでも時々人にマインドフルネスについてお話したり、瞑想の教示を行ったりした経験はありましたが、今回のように大勢の方を対象に瞑想の教示を行ったりするのは初めてでした。
 手前味噌ですが、マインドフルネスは、『過去や未来に対する心の彷徨い(マインドワンダリング)をやめて、「今、ここ」に気づくということ』であるなど、ホワイトボードも使いながら、比較的「わかりやすい」話ができたのではないかと思います。しかし、あまりにわかりやすくなってしまうと、頭で「わかった」ような気になってしまうので、体験的なエクササイズ等も盛り込み、実際に体験していただくことを重要視しました。一部の参加者の方からは瞑想の本質につながるような感想(例えば、相手の話に対して反応せずにただ聞くという実践に対して、『自身の中に(反応との間の)「スペース」を感じることができ、それが平和にもつながるように思った』ということなど)も発表していただき、分科会の進行の大きな助けになりました。
 また、私自身の反省として、分科会担当時の自分自身があまりマインドフルでなかったことが挙げられます。瞑想やマインドフルネスを伝えるときに、伝え手からにじみ出てくる、暗黙のニュアンスのようなものが大事になってくるように感じています。今後は「わかりやすさ」だけではなく、瞑想の伝え手としての背景にある心の動きや、微妙な素振りや言葉遣い、話し方などにも気を配る(まさに「気を配る」というのはマインドフルネスそのものです)など、言葉では伝えきれない部分もより意識していきたいと思います。
 マインドフルネスというものにあまり触れたことがない方にとっては、意味が分かりにくい文章だったかもしれませんが、最近マインドフルネスは時代のブームにもなりつつあります。日々の慌ただしい生活を送る中で、目の前の一呼吸に気づくということがどれほど大きな助けになるか、ぜひマインドフルネスの実践に興味を持っていただければ、私としては嬉しい限りです。(20代男性、埼玉)

 

(吃音当事者研究会)

東大スタタリング「当事者研究会」

 9月17日(土)~9月19日(月・祝)に埼玉県県民活動センターで開催された吃音者の一大イベント・『第50回言友会全国大会言友会50周年記念大会吃音ワークショップ2016in埼玉』の分科会に、当サークルが参加してきました!
 当会は、2日目の午前中に開催された分科会Ⅰで『吃音当事者研究会』のブースを主宰しました。私(いんこ)とEさんの二人で、進行を行いました。分科会には、20人の方が参加されました。参加してくださいました皆様、また、書記を務めてくださいましたEさん、本当にありがとうございました。また、今回も、東大誰でも当事者研究会のべとりんさんが公開している資料を参考にして、配布資料を作り、また、会の進行を行いました。べとりんさん、ありがとうございました。
 当事者研究会では、モデル研究会を開催しました。障害学の分野で提唱されている『障害の個人モデルと社会モデル』の考え方を、説明モデルとして引き合いに出し、参加者の経験と照らし合わせながら、モデルを書き換えていく・という主旨で会を開催しました。
 会の進行は、①自己紹介(名前・どこから来たか)⇒②約束事(ルール)や活動目標・注意事項を確認⇒③今回取り上げる説明モデルについて解説⇒④モデルに関する経験を語り合い⇒⑤経験の掘り下げ⇒⑥話し合いのまとめ・成果報告
  という流れで行う予定でした。
 ④のモデルに関する経験の語り合いでは、一人1まいずつA4の白紙を配り、『①吃音に関する経験で生きづらかった経験を一』、『②その時の自分の対処法』、③『②の対処法が、説明モデルに照らし合わせたとき、個人モデル的な対処の仕方だったのか、社会モデル的な対処の仕方だったのか、当てはめてみる』という3点を書いて、発表する、という形式でした。発表後は、③の項目(個人モデルか、社会モデルか、どちらともいえないか)に基づいて、紙を場所分けしながらホワイトボードに張り付けてみました。
 時間の関係で、④の時点で残り時間がなくなり、⑤以降は、『他の人の体験を聞いて考えたことや思いついたことを自由に語発表してみる時間』にして、会を終わりました。
 時間通りに進行ができませんでしたが、④の経験の語り合いと、その後の自由な語り合いでは、とても面白い体験が語られました。また、モデルのブラッシュアップまではいきませんでしたが、『個人モデルー社会モデル』という考え方について、吃音者の立場から矛盾を突くことができそうな可能性を感じられるような語り合いだったのではないかと思います。
 何度か東大スタタリングやほかの吃音者の団体で当事者研究会を行っていますが、これほどまでに面白い当事者研究会が運営できることはなかなかないので、私としては大成功に終わりました。参加してくださいました皆様のおかげです。本当にありがとうございました。
 今回は、参加者全員の了承が取れなかったので、会の内容をHPに公開することはできませんでしたが、同じトピックで、今後もモデル研究会を続けていきたいと思っています。次回以降は、ブラッシュアップしたモデルを研究成果として語られるような会にできればと思っています。
 とても楽しくて考えさせられる会でした!みなさん、ありがとうございました!

(20代男性、埼玉)

      

(吃音者が「はたらく」ことをみんなで考えよう!)

 講演:私の就活と就労体験談 ー現在に至るまでー
☆パワーポイントの内容より
●私が吃音を意識し出したのは、小学校3年生ごろ。小学校入学当時は吃音はなし。両親も気づく。
 授業中にどもり、クラス中のネタにされ、いじめもあり。どもるマネをされる。→高校生まで続く
●就職に対する不安も当然のごとくあり、吃音があることで、高校の進路指導の教師にこのような話し方では就職は厳しい、どこでも通用しないと
・高校卒での就職はせず、専門学校に進学 。 福祉系の専門学校に進む 。
・入学試験の面接でどもったので、面接官に説明した 。内申書に高校の担任教師が吃音のことを書いてくれていたことに気づく。
●なぜ福祉系の専門学校を選んだか?
・福祉系というだけあって配慮が得られるという期待 ・吃音に対しての支援が得られるという考え
●学生生活では
・人間関係に恵まれ、充実していた 。
→友人と遊ぶ等、楽しんでいた。時には友人同士で悪いこともした(笑)
・小学校から高校ではできなかったことに挑戦。
ようやく就職したが、先輩、上司とのコミュニケーションでつまづく。話し方を指摘され、仕事にならないと罵られる。
 →特に内線電話、日勤から夜勤への引き継ぎ等
・数か所職場を変える。 原因は、コミュニケーションにより、人間関係がうまくいかなかった。
・最初から吃音がある旨をきちんと説明していればと後悔 。
●なんと転職先の上司も吃音者
現在の職場に10年以上勤務。施設長と面接時、どもっても話をきいてくれている 。入社と同時に千葉言友会へ入会 。入会後、施設長が吃音者であることを知る 。過去に千葉言友会で講演した経歴があった 。吃音つながりで周りに配慮してくれた 。平成20年のつどいで施設長が吃音について講演
●現在、就職に求められるものは?
 ・コミュニケーション能力 ・創造性 ・責任感 ・専門知識 ・協調性 ・チャレンジ精神
なぜ必要かを具体的に説明。
以下、紙面上の都合により、省略します。
●職業データベースの紹介
 全言連ホームページにある職業データベースとは何かを紹介させていただきました。
●講演の後は、就職と就職活動についての意見交換
テーブルを四角く囲んで、ラウンドテーブル形式で意見交換
<ラウンドテーブルとは?>
いろんな活動をしている人や、何かしたいと思っている人など、さまざまな人たちが同じテーブルに対等な立場で着いて、課題を共有し、情報を交換し合う会議の形式

分科会担当デビューということで、至らないところもありましたが、36名の参加があり、参加していただいた方には改めてお礼を申し上げます。(40代男性、千葉)

     

・平田オリザ先生講演会

(前半)ワークショップの内容
 平田オリザさんが到着して、ワークショップが始まりました。
 以下のA~Cの3つのワークショップが行われました。
A仲間を集めるワークショップ
 『大きな声を出して、動き回りながら、自分と同じ仲間を集める』ワークショップを行いました。『好きな色』『埼玉と言って思い浮かべること』『ベルギーと言って思い浮かべること』『誕生月』などのお題で行いました。
 ワークショップを通して、声を出すことの楽しさ、自分が自分について思っているイメージと相手が自分について思っているイメージにずれがあることに気が付くこと、参加者が参加しやすいようにルールを作ること(コミュニケーション・デザイン)、などのお話がありました。
Bからだを動かすワークショップ
 2人一組、3人一組で、からだを動かすワークショップを行いました。背中越しに同じ方向に動く、背中越しに立ち上がる、からだを前後の人にゆだねる、などのワークショップを行いました。
 身体から身体関係を作るという主旨や、このようなワークショップが自己目的化して行き過ぎたものにならないような注意喚起(新興宗教の勧誘にも同様のワークショップが行われていること)などをされていました。
Cカードを使ったワークショップ
 1~50までのカードを配り、『番号の大きい人ほど、激しい趣味』という設定で、近い数字の相手を見つけるワークショップを行いました。
 人によって同じ言葉でもイメージが違うこと、イメージの共有の難しさ、相手がどういう「つもり」で話しているのか(コンテクスト)を知ろうとすること、などのお話がありました。
(後半)講演
 まず、平田さんが中学生向けに行っている、演劇を通じたコミュニケーション教育の取り組みのお話しありました。「コミュニケーション教育といっても、コミュニケーション能力をつけるなど、おこがましく、せいぜい、私たちができることは、生徒たちに『コミュニケーション能力があるじゃん!』とはげますことだ」とお話しされました。
 また、吃音の子供がいるクラスで行ったエピソードも語られました。
 次に、若い世代が抱えるコミュニケーションについての問題が3つ語られました。
 一つ目は、時代が変わり、若者たちを取り巻く「他者」の在り方が変化したことでした。そのことで、若い人たちのコミュニケーションに対する意欲が低下していることが語られました。具体例として、「ケーキ」というだけでケーキが出てきてしまうような社会環境になったこと、が語られました。
 二つ目は、育つ環境によってコミュニケーションの機会にとても格差があること(コミュニケーション問題の多様化)でした。特に高学歴の人たちのほうがコミュニケーションの機会が乏しいまま成人してしまうことが多く、平田さんは、「中高一貫・男子校・理系」を「コミュニケーションの三重苦」と呼んでいました。
 三つ目は、社会が要求するコミュニケーション能力の水準が上がっていること(コミュニケーション問題の顕在化)が語られました。コミュニケーションしなくてもいいように育てられる一方で、社会では要求されるコミュニケーション能力が高まっていること。だからこそ、「コミュニケーション教育」によって、そのギャップを埋めてあげる必要性があるということが語られました。
 その後、コミュニケーションをめぐる二重拘束(ダブルバインド)についての話がありました。平田さんが「コミュニケーション教育」を通じて広めているような「対話型」のコミュニケーション(ちゃんと説明しなさい)だけではなく、社会では、従来の日本的な「会話型」のコミュニケーション(意見を言うな、察して動け)がもとめられ、日本社会全体が矛盾に陥っていることが語られました。
 このような矛盾する二つの命令が激しく繰り返されると(ダブルバインド)、人はどう生きていいのかわからなくなり、引きこもりや人格障害の原因になると言われている、というお話でした。
 平田さんは、しかし、日本社会全体が、家庭でも学校でも会社でも、このダブルバインド状態になることは、仕方のないことであると述べていました。そして、むしろこのようなダブルバインドを引き受けていかなければならない、というお話をされていました。
 このダブルバインドを乗り越えるために、劇作家の立場から、平田さんは二つの提言をされていました。
 一つ目は、話し言葉の種類に応じて冗長率を「切り替える」ということでした。
 二つ目は、人間はもともと、「演じ分ける」生き物なのだ、というお話でした。ゴリラの例を引き合いに、「人間を人間足らしめているのは、人格(ペルソナ)を演じ分ける能力」であり、「『演じる』とは英語で言えば『Play』であることからもわかるように、本来主体的で楽しいことなのだ」ということ、が説明されました。コミュニケーション教育を通じて、「演じる」のを「楽しめる」ような若者を作りたい、と平田先生は語っていらっしゃいました。
 最後に、アウトサイダー・アートの意義についての話がありました。先日起きた相模原事件のお話に触れながら、山下清の絵画の芸術性や、演劇が認知症介護の現場で有効であるというお話が語られました。
 マイノリティを排除の方向に向かうのではなくて、むしろ、われわれマイノリティの活動が、社会の中で大きな役割を担うのだ、というお話だったと思います。

(20代男性、埼玉)

 

・藤原さくらトーク&ライブ

 「吃音ワークショップ2016in埼玉」にて、シンガーソングライター・藤原さくらさんによるトーク&ライブが行われました。今年の春に放送されたフジテレビ系列の月9ドラマ『ラヴソング』。吃音を扱ったこのドラマを全言連が監修した縁から、ドラマで吃音者の役を演じられたさくらさんのワークショップご出演が実現しました。
 大会二日目、会場のセミナーホールには約180人の観覧者が集まりました。熱気に包まれる中さくらさんが登場すると、大きな歓声が上がりました。
 まずは、ゲストの藤原さくらさん、フジテレビプロデュサーの草ヶ谷大輔さん、さくらさんに吃音の演技指導をした川端鈴笑さんの3人によるトークが行われました。
 さくらさんは、東京言友会へ見学に来た時のことを振り返り、「今回、吃音者の役を演じることができたのは、本当に言友会の皆さんのおかげです」と感謝の言葉を述べられました。川端さんは「最初に例会でさくらさんに会った時、すごく可愛い人がいて、あんまりどもってなかったけど、同じ吃音の人だと思って話していました」と、会場を笑わせました。草ヶ谷さんは、言友会で、友人の結婚式のスピーチを断ったという女性のエピソードを聞いたことが印象に残っていると語ってくださいました。
 続いて、ライブでは、ドラマの中でも歌われた「500マイル」「好きよ 好きよ 好きよ」「Soup」を含む4曲が披露されました。弾き語りで、しっとりと、力強く歌うさくらさんの歌声に、観客の皆さんは、手拍子をしたりリズムに合わせて身体を揺らせたりして、聴き入っていました。ラストの曲が終わると、客席からは「アンコール」の声も。最後に、花束と記念品の贈呈を行い、さくらさんを囲んでの集合写真を撮りました。
 今回、私は、さくらさんの所属事務所であるアミューズとの交渉、トーク&ライブの司会を担当させていただきました。忙しいスケジュールの合間を縫いライブの準備をしてくださったスタッフの方々、さくらさん、そして会場に足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。さくらさんのライブを目当てにワークショップに参加された方々もいたかと思います。これをきっかけに言友会を知り、言友会に興味を持ってくださる方が増えれば嬉しいかぎりです。(埼玉言友会 廣瀬功一)

         

・分科会Ⅱ

(表現のワークショップ)

1.経緯
 今回担当させていただいた経緯は、たまたま私が埼玉言友会主催で全国大会が開催されることを知ったため、私がこれまで続けてきた朗読を皆さんの前で披露したいということから埼玉言友会に連絡を取ったことがきっかけでした。
 その後、ただ朗読をするだけではなく、何かワークショップのようなものをやれないかとのアドバイスを國分さんから頂いたことから、最初は躊躇したのですがこれも何かの縁かと考えまして、表現について、参加型のワークショップができないかといろいろ模索しました。一度は埼玉言友会の例会の場を借りて、試行してみて、最終的に見直しをかけたのが、今回の内容になります。
2.基本的な考え方
 試行時点での反省を踏まえて、今回のワークショップでは、各人の発語するときの緊張感
はできるだけ避け、純粋に表現することを体験し身体で楽しむことを基本としました。
 具体的には、一人々にしゃべってもらうのではなく、全員が一緒に声を出す形としました。
3.内容
 (1)音の響きの体感
 最初はまず皆さんに、声になる前の音(具体的には口を閉じたハミングです)を出すことから始めました。音を出すことによって自分の身体にどのように響くかを体感します。
 よりはっきり感じてもらうために、全員寝てもらって(仰向け)音程を変化させながら
身体の中で響く箇所が変化していくことを感じてもらいます。
 このセッションは終了後の感想で、新鮮な感じを受けたとの意見がありました。
 (2)音から声(母音)へ 
 次に音(ハミング)を出しながら徐々に口を開き母音(あ行の音)に変化させることを体感します。特に口を開く過程でどのように感じが変わるかを体験してもらいました。
 ここまでは、自分の出す音、声を自分の身体全体で感じることを目的としていました。
 (3)発声練習-1・・足の裏からの発声
 次は全員立ってもらって、発声練習(あえいうえおあお等)をします。この場合、まず言葉はお腹からではなく、むしろ足の裏から上半身、下半身全体を意識して出します。
 そのため、足の裏の感覚をはっきりさせるため、少し、歩きながらやります。
 (4)発声練習-2・・無意味な言葉に表情を付ける
 このレッスンでは、ことばには色々な表情を付けることができることを感じてもらい
ます。
 具体的には、「あいうえお」、「かきくけこ」といいながら、そこに感情を込めてみます。 “怒り”、“悲しみ”、“喜び”、次は情景を表現してみます。“静寂”、“賑わい”
 このレッスンでは若干の人が恥ずかしがって腰が引けている人もありましたが、続けていると、次第に乗ってくる人も多数見受けられました。朗読自体の練習としては、本来意味のある文章を読むときに、その状況に応じた表情をことばに付けるのですが、今回はあえて、無意味なことばにも表情を付けることができるのを実感してもらいました。
(5)朗読の練習(芥川龍之介作「蜘蛛の糸」の一部を教材として使用)
 このレッスンでは、文節、段落等の意味を理解しつつ、その内容に応じて、ことばに表
情を付けることを実感してもらいました。
 例えば、冒頭の「ある日のことでございます。・・」については、
・この語り手はどのような人物なのか(かつて極楽でお釈迦様に仕えた人物で、年齢はすでに100歳を超えている)
・この話をするこの人物の思い、感情は何か(過去の哀れにも悲しい出来事を語ろうとしているが、余りに昔のことなので、その感情はむしろ懐かしさに近い)
このような情景、イメージをもって私が最初に読み、続けて全員で、冒頭の文章を読んでもらいました。(一斉に)
 以降、時間の都合もあったのですが、次の段落の中ほどまで、練習をすることができました。
 最初は、皆さんに若干のためらいを感じましたが、何度かやるうちに、皆さんのかたりが少しずつ表情のあるものになったと私には思われました。(私のひいき目でしょうか?) 
(6)朗読の実演
 最後に、私自身がこの「蜘蛛の糸」を朗読しました。皆さんには、読んでいる私が、読むことを楽しんでいるとわかっていただけたことと思います。
4.反省等
 最後に皆さんからの、質問、意見を伺いました。朗読に興味を持っていただいたようで
いろいろな質問を頂きました。アナウンサー的な朗読との違いは何か、朗読のときの声量の
コントロールについて、朗読の速度を早くするには等でした。
 また、帰りの電車で横浜言友会からの出席者と隣り合わせになった時、吃音の改善に“表現”が何か役立たないかの質問をいただきました。その場では何も思いつかなかったのですが、後でいろいろ考えたのですが、少しそれについて、書いてみます。
 その方法は、発語するときに、意識を口腔からできるだけ離し、表現するほうに意識を向け、それによって吃に対する恐怖感を少しでも和らげるというものです。
 それは、例えば自己紹介の場面を例にとると、職場での場合、自分の良いイメージ(表現
)を、(「できるやつ」「まじめな人間」等)自己紹介のことばにのせることで実現できるのではということです。
 同じ自己紹介の場面で、好みの女性(男性)に対するときは自分の良いイメージとしては(「まじめ」「私はあなたに行為を持っています」等)「頑張り屋」などのイメージをのせるなどが考えられます。
 私自身が、朗読の時なぜ吃らないのかがよくわからないので、何とも言えませんが、一つの方法としてはトライしてみる価値があるのかもしれません。
 以上、今回私としても初めてのワークショップでしたが、とても楽しく、勉強になりま
した。これからも言友会の皆さまのご健闘を祈ります。

 

元福岡言友会会員 川崎英則

     

吃音がある若者の集い~うぃーすたプロジェクト~)

 WS二日目、吃音を持つ若者のグループ「うぃーすたプロジェクト」が分科会を担当させていただきました。「うぃーすたプロジェクト」は、40歳までの吃音当事者を対象としたグループです。関西で産声を上げ、現在は、関西、東海、関東、九州等の各地域で活動をしています。分科会には、北海道から九州まで、全国から約35名の方が参加されました。
 「うぃーすた例会体験」と題した分科会ではまず、交流ゲームを行いました。交流ゲームは、参加者が部屋の中を自由に動き周り、二人でペアを組んで自己紹介をする。終わったら、また別の人とペアを組み自己紹介をする。これを繰り返すというものです。休日の過ごし方や、お互いの共通点などの項目にそって行いました。初対面の人との交流を含め、それぞれが多くの人と話をすることができました。
 次に、吃音に関するテーマをいくつか用意し、グループに分かれて話し合うグループディスカッションを行いました。今回は、「吃音との向き合い方」「恋愛・結婚」「就職・就労」などのテーマで、皆さんそれぞれの意見を交わしました。自己紹介の雰囲気とはうって変わり、非常に熱のある議論が各グループで繰り広げられました。
 最後に、うぃーすたの各地域の代表者が、パワーポイントを使い各地の活動を紹介し、閉会しました。
 うぃーすたのWSでの分科会は、2年前の愛知WSに続き二度目となりました。2年前とは参加された人も随分変わったように思います。うぃーすたは約2年前に発足したまだ新しい団体ですが、このような機会を設けていただき嬉しく思います。全国の若い当事者の方々にうぃーすたの活動を知っていただくことができ、また、活動に興味を持ってくださった方の中で、北海道などこれまでに活動していなかった地域でもうぃーすたを立ち上げたいと話してくれた方もいました。さらに活動を広げることにもつながり、大変実りの多い分科会となりました。
 今後ともうぃーすたは言友会と連携・協力をしつつ、お互いを発展させ、吃音の人の受け皿を拡大させていけたらと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

(30代男性、東京)

     

合唱とボイストレーニング)

 吃音サポート「ジークフリーツ」です。私たちは今回のワークショップにて、分科会「合唱とボイストレーニング」と称して発表をさせていただきました。以下、報告を致します。
 ジークフリーツは、吃音の苦労や悩みをひと時でも忘れて音楽を楽しもう、と平成14年春、音楽療法家と吃音者が集まったのがはじまりです。以来毎月1回の集まりを持って、参加する皆さんが知っている歌をピアノ伴奏で合唱したり、吃音の悩みや疑問を話し合ったりしてきました。
 今回は私たちが普段行っている活動をワークショップの会場に場所を移し行う、という形で皆様にジークフリーツを紹介させていただきました。実際に行った内容は①ジークフリーツの紹介、②楽器演奏に合わせた合唱、③ボイストレーニングによる声出し・ストレッチになります。
 合唱では、拙い演奏の中ではありましたが、参加者の皆様に予想以上に大きな声で歌っていただいたおかげでうまくまとめることができました。ボイストレーニングでは、参加者の方が真剣な表情で話を聞き、声を出していたことが印象に残っています。 
 今回の発表を通じて私が感じたことは、少なくとも参加していただいた方は皆様、「声を出したい」と強く願っていると言うことでした。普段の皆様の状況等は知ることができませんが、ボイストレーニング時の真剣な表情や終わった後感想を行っていただいたときの話を通して、皆様の強い思いが伝わってきました。私たちも「音楽でできることはもっとある」と感じることができた経験でした。今後もより多くの方がより生きやすくなるよう、考え、工夫し活動を進めていきたいと思います。(演奏も上達するようにがんばります)
 また今回、長年ジークフリーツにご参加いただいている言語聴覚士の吉澤健太郎先生に途中、すばらしいお話を披露していただきましたため、この場にてお礼を申し上げます。
 最後になりますが、全国の吃音者が集まる貴重な場でこのような発表の機会を与えていただいた関係者の皆様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。お疲れさまでした。(20代男性、東京)

          

(ロールプレイング的手法による電話練習会)インタビュー。聞き手:Web担当 松村

      

――「ロールプレイング的手法」とありますが、具体的にはどういうことですか?普通の電話練習とどんな違いがあるんですか?

 普通の電話練習となると、棒読みというか、ただ電話練習をしているという形になってしまうかなと思い、ロールプレイング手法を用いて、実際に自分も役に入りきって練習した方が良いかなと思い、しました。

―― 役というのは...たとえばどんな?

 2人でペアになり、ロールプレイングをする場合、 1人は、美容師、もう1人はお客様、という形で日常生活で起こりうるような設定で練習するということです。

―― なるほど。

 上手い事言えなくてすみません…

――いえいえ、大丈夫です!
 そういう台本なんかは、ご自分で作られたんですか?


 以前私が通ってた、医療事務の専門学校でもロールプレイングを授業でしていた時の台本を、少し自分なりにアレンジしました。

―― 事前準備とか、かなり大変だったんじゃないですか?

 正直なところいうと、結構大変でしたね。
 どう言い換えたら分かりやすいかなとか。
 皆さんにお見せするのが最初は恥ずかしかったんですけど、最後の方は楽しかったです。
 こうしたら伝わるかなとか。
 でも、実際に私が作った台本を皆さんが使って練習して下さり、頑張って良かったなと思えました。

――すばらしい。
 ところで、電話機というのは機材として揃えるとかなり高くつくと思うんですが、そのへんどうされたんですか?


 スマホアプリの無料通話、LINEを使用しました。

―― なるほど!それは考えましたね…
 スマホを持ってない方についてはどうされたんですか?


 スマホを持っている方に借りて、練習しました。

―― なるほど!

 電話機はなかなか準備出来ないのでね…

―― そうですよね…
 実際に分科会を進行していく上で、ここは大変だったとか、そういうのがあればお聞かせください。


 やはり、分科会の主催者というか進行を進めて行くのが私なので、非常に緊張しました。
 埼玉言友会の皆さんなら安心して進められるのですがやはり全国大会という、初めての方達をまとめるという事に関してはとても戸惑いました。
 声が小さいからもっと大きな声で言え!とか、台本を2部用意して、順番でやっていけばいいかなと思ったのですが、待ってる時間が勿体無いから、もっと台本を用意すれば良かったね。などとご指摘を頂きました。
 途中、参加者全員協力してもらいなんとか事なきを得ました。
 そして最後には、参加者1名の方が前に出て、電話対応について語って下さりました。
 私の分科会なのに、1番最後にしめくくられて少し腹立たしかったですが…。
 本当グタグタになってしまい、参加して下さった皆様方には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、中には、とても良かったよ!お疲れ様!とねぎらいの言葉を掛けて下さる方も居て、とても嬉しかったです。
 次回また私が担当する分科会がありましたら、今回学んだ多くの失敗や経験を活かし、更に頑張りたいと思います。

――ありがとうございます。
 今回、分科会を担当されて、実生活を送る上でなにか心境の変化というか、そういったものがあればお聞かせください。


 んー。
 電話が来ても、前程嫌だなと思う事はなくなったかなと思います。
 また、吃る事も前より少なくなったかなと。

―― 苦手意識がなくなった?

 はい、前ほど。
 分科会をやる、言友会に入る前は電話に出る事が怖くて避けてましたけど、今は嫌だけど出るようになりました。
 でも、前程苦手意識は少なくなったように思えます。

―― すばらしい変容ですね…
 人間的にも成長を実感できていますか?


 いや、今も怖いし出来れば出たくないですよ?
 でも先週美容院に行きたくて、仕事の休憩中自分から電話できたんです!
 まあ、いつも行ってる美容院だから出来たのかも知れませんけど(´°ω°)
 人間的にはまだまだですね。
 最近同い年の彼氏が出来たんですけど、彼氏の方が本当考え方もしっかりしてて見習う部分ばかりなので、頑張りたいと思います。
 あーでも1つだけ言える事は、職場での人間関係が少しずつ変わり始めてきました。
 私、同世代の子との付き合いが本当に苦手で出来ればしたくなくてずっと避けてきたんですけど、忘年会が終わってから同世代の子と話せるようになったので、前程仕事が嫌じゃなくなりました。

―― 物怖じしなくなったと。
 度胸がついたんだと思います!


 そういうことなんですかねえ|ω・`)
 まだまだですけどね!

―― 彼氏もできて、人生が充実してきているように思います。

 ありがとうございますヽ(^o^)丿笑

―― 今後、ワークショップの分科会や他のプログラム、各地言友会の例会などを担当してみたいと思っている人たちに、アドバイスなどあればお願いします!

 分科会をやってみたいなと少しでも思ってるなら思い切ってやった方がいいと思います。
 私自身もそうだったので。
 仕切るというか、まとめる事も今までは本当避けて来て、人に任せて来たので無縁だと思っていたのですが心のどこかでは、1回やってみたいと思っていました。
 なので今回、吃音当事者の代表として電話練習の分科会を担当させて頂けた事はとても嬉しいし、やりがいを感じました。

―― 自己実現できたと。

 だと思います。

―― ありがとうございました。

(20代女性、埼玉・談)

     

(ストレスに強くなろう)

 本分科会は、広島大学大学院教育学研究科に所属されていらっしゃるYさんが担当されましたが、諸事情につき、分科会の進行サポートを行った私、Hが報告文を作成することになりました。
 この分科会では、「ストレスに強くなろう」ということをテーマにし、参加者の方には、「レジリエンス」と呼ばれるストレスに対する抵抗力を測定する質問紙や、ストレスに対処する方法などについて尋ねる質問紙に回答していただいて、その結果を各自で振り返っていただく、ということを実施しました。
 この分科会はYさんの修士論文のデータ収集も兼ねていたようで、そのことに関しては、参加者の方から少々厳しいご指摘もいただきました。実際、十分な事前打ち合わせを行っていなかったことは私としても大きな反省点で、分科会を担当していただくことに関して、双方の齟齬がないようにしておくべきだったと感じました。Yさんはこの分科会のためにはるばる広島からいらしてくださったので、お互いが「やってよかった」と思えるような事前打ち合わせが必要だったのではないかと考えています。
 Yさんからは、ストレスやレジリエンスに関して専門的なお話もしていただきましたが、中には内容を理解することが難しかった方もいらっしゃったかもしれません。「具体的に日常生活でどうすればいいのか」ということに関してまでは、アイデアを提供することはできなかったかもしれませんが、普段、自分自身のストレスに対する抵抗力(レジリエンス)や、それに対処する方法などに関して、振り返る機会を持つことはなかなかないと思います。本分科会がそれらに関して振り返る機会になって、日常生活の中でストレスに自覚的に対処する助けになり、実り多い行動につながっていけばうれしく思います。(20代男性、埼玉)

          

・マイメッセージ・懇親会

 マイメッセージでは、7名の方による自分の思いと考えを発表していただきました。それぞれの思いが伝わってくるので、吃音者の合理的配慮の大事を再確認できたことでしょう。
発表された方、ありがとうございました。

 マイメッセージのあとは、懇親会へと移りました。
 この日はワークショップ最後の晩餐となり、最初に言友会50周年ということで、A全言連前理事長のスピーチ、M副理事長の乾杯で懇親会はスタートしました。最後の夜だけあり、初めて参加された方も楽しく参加されている姿がとても印象的でした。
 途中でM理事長の挨拶もあり、懇親会はつづけられました。最後に全言連理事のKさんの一本締めで懇親会は閉幕となりました。(40代男性、千葉)
     

・言友会50周年記念企画

(写真で綴る言友会50年の歩み)

 言友会が創立されて今年で50年を迎えました。今の言友会があるのは、この50年の間に言友会を作って、苦労しながらも活動を続けてこられた先輩たちのお蔭です。そこでこのプログラムでは、言友会50年の歩みを写真で紹介して、過去を振り返るとともに、これからの言友会の未来に対しても思いを馳せることにしました。進行はKが、語り部はAさん(東京言友会)が担当しました。
 まずは1966年4月3日の東京都杉並区の方南会館での発会式の様子が映し出されました。まさしくこの日から言友会の歴史が始まりました。発会式に出席した人はこの場にはいませんでしたが、年代が進むにつれて、古い時代からの会員さんからは「あそこに写っているのは私です!」とのコメントが何回も飛び出してきて、会場から思わず拍手が沸き起こりました。過去の全国大会の写真も、次から次へと映し出されました。1986年に京都で開催された第1回世界大会の参加者も何名かこの場におられました。今年で全国大会は50回目を迎えました。2年後には広島で第12回世界大会が開かれます。最後は「言友会の歴史は続く」のコメントで締めくくり。古き良き時代を偲ぶとともに、今の言友会があるのは先輩たちのご苦労のお蔭だということを改めて感じました。なお、このプログラムを行うにあたり、古い時代の写真を送って下さいました関係者の皆様に、厚くお礼申し上げます。(50代男性・愛知)

         

・どもり系アーティスト・清水裕治リサイタル

 私はどもり系アーティストと名乗り、吃音を自ら公言することで、吃音の認知度を上げると共に、吃音者と健常者の相互理解を目指しております。今回吃音ワークショップでの演奏は、その活動に目をつけていただいたHさんやMさんのご協力のおかげで叶うことができました。
 私が吃音という言葉を知ったのは、四年前の大学1年生の頃でした。
 私は吃音の症状が軽いほうでしたので、生活に支障はなく、高校生活ではからかわれることがありましたが、それまでの私の人生にそれほど影響はありませんでした。ですが、社会に近づくにつれて吃音を持っていると生きづらいと思うようになりました。大学を休学してまで自分の修行のつもりで働いたIT系のベンチャー企業はクビ同然で辞め、今後の人生に自信が持てなかった時に、一度本気で音楽をやってみようと思い、アーティスト活動を始めました。その中で吃音と向き合いたいという気持ちが強くなり、どもり系アーティストと名乗ることにしました。
 そして、その活動を毎日新聞に取り上げていただいたことをきっかけに言友会やうぃーすたを通して私以外のたくさんの吃音者を知りました。
 そこで気づいたことは、私よりも吃音で苦しんでいる方々がいること。
 私がどもり系アーティストと名乗っている以上、私は吃音者を代表してステージで歌っていくことになる。その中でたまたま人に恵まれず吃音をからかわれ、社会に出ることを不安と考える方々に対して、自分が何が出来るのかを本気で考えました。
 正直まだはっきりとした答えは出せてはいません。しかし、自分が一歩踏み出すことで誰かが踏み出せるかもしれない。それを信じて、全力で伝えたくて、吃音ワークショップの閉会式で歌わせていただきました。
 閉会式後、『良かったよー!』『楽しかったよー』とたくさんの嬉しいお言葉を皆さまからいただきました。その中でも特に嬉しかったのは、吃音ワークショップの最年少であろう中学1年生の参加者から『かっこよかった』と言っていただけたことです。子供時代の体験は吃音にとっても重要な意味を持っていると私は考えておりますが、その子に少しでも吃音者
でもかっこいいところを人に観せられる!ということを分かってもらえたのかなと思いました。
 来年私は大学を卒業し、本格的に音楽の道に進むことになります。正直将来がどうなるかなんてわかりません。ですが、私に吃音と音楽がある限り、どもり系アーティストはこれからも活動を続けていきます。
 この度は吃音ワークショップにて、歌わせていただき、誠にありがとうございます。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

どもり系アーティスト・清水裕治

      

・閉会式

 まずはじめに、吃音で身体障害者手帳の取得を目指しながら却下されたことを不服とし仙台地裁にて訴訟を提起した桜田俊介さんのボイスメッセージを流しました。ご本人は重度の吃音のため、短いメッセージでもかなり時間がかかってしまうからということで、奥様の代読でした。

 非常に重いテーマでもあり、その場にいた参加者の皆さん一様に真剣な面持ちで聴き入っていました。総括として、吃音が障害として広く認知され行政判断が修正されるよう当事者として啓発の努力を惜しまないということで一致しました。

 つぎに、今大会の主催団体である埼玉言友会の大会実行委員の皆さんをステージに上げ、お名前を紹介。その中のひとりで、毎日新聞にインタビュー記事が掲載された女性の方に代表としてスピーチをしていただきました。吃音に関する記事が掲載された際、職場の上司にこれを見せたところ、これは良い記事だから社内で回覧し吃音という障害を周知させようと上司の方が言ってくださったという、まるで月9ドラマ『ラヴソング』のワンシーンをなぞるような感動的なエピソードを披露してくれました。

 そして、会長あいさつとして3日間の大会を総括し、あわせて、本来であればここに立ってあいさつされることを誰よりも強く望みながら、大会直前にうつ病で倒れられた前会長の國分さんについて紹介すると、実行委員のみなさん、そして國分さんへのあたたかい拍手が参加者の皆さんから送られました。

 その後、時間がすこし余ったため、初めて吃音ワークショップにご参加いただいた方数名に感想をのべていただきました。大会参加者として最年少の中学生の男の子から「内容がぎっしり詰まっていて面白いワークショップだった」とのお褒めの言葉をいただき、スタッフ一同、これまでの苦労が報われた思いでした。

 最後に今回、会長代行として裏方に徹させていただいた私を参加者の皆さんが胴上げしてくださるというサプライズがあり、思わず涙があふれ止まらなくなってしまいました。

 参加していただいた皆様、実行委員スタッフの皆様、そして全言連スタッフの皆様、長いようであっという間の密度の濃い3日間をともに過ごしたこと、一生の思い出となりました。本当に本当にありがとうございました!

 また来年、会場は決まっていませんが、必ずどこかで次のワークショップが開催されるはずです。そこでまた皆さんの元気な顔を見せてください。すべての吃音を持つ仲間たちへ。

See you again!!(Web担当兼暫定会長 松村)

     

【感想】

《よかった点》

・熊谷氏のシンポジウム、平田オリザ氏講演会、共におもしろく興味深くききました。ありがとうございます。会場の設備もgood!(50代男性、神奈川)

 

・言友会発足50周年おめでとうございます。言友会の先輩方のおかげでこのように現在も続いているのだと感じます。参加できたことうれしく思います。言友会の歴史が知れてよかったです。これからも吃音の人が1人でも生きやすい世の中になるように頑張ってください?頑張りましょう。(20代男性、神奈川)

 

・熊谷先生の講演を聞けて、とてもよかったです。また、吃音を持っている若い人たちが、自分たちでがんばろう、協調していこうとする姿が多くみられ、すばらしいと思いました。応援していきたいです。(50代女性、福島)

 

・熊谷晋一郎氏、平田オリザ氏のお話は非常に良かった。よい講師を選定されたことに感謝します。(60代男性、愛媛)

 

・久しぶりの雰囲気があり、満喫できました。(男性、千葉)

 

・途中からの参加でしたが、平田オリザさんの話がとても良く、感動しました。フリートークは気付いたら、朝になっていて、とても楽しかったです。(50代男性、神奈川)

 

・藤原さくらさんのライブ、最高でした!講演者2人共、別の畑の人で、別の側面からのアプローチで新鮮、新たなこころみで面白かった。吃音ワークショップ2016大成功おめでとうございます。(50代男性、神奈川)

 

・北海道言友会に参加していて、東京言友会にも1回行ったことがあるのですが、2泊3日ということもあり、例会とは違い、濃密に過ごすことができました。全国からの意見を聞くことができ、とても刺激になりました。また、来年も行こうと思いました。(20代男性、青森)

 

・マインドフルネス入門、日々の生活に取り入れてみようと思った。平田オリザ講演会、藤原さくらトーク&ライブもよかった。(女性)

 

・1日目のシンポジウムは先生が良く話が聞きやすかった。2日目の藤原さくらさんのライブやトークショウはとても良かったです。来年のワークショップにも来てほしいです。

(40代男性、福岡)

 

・スバラシイ!ご苦労様でした。裏方の方々の走り回る姿が印象的でした。(60代男性、神奈川)

 

・埼玉言友会の皆様、会長が倒れたという緊急事態の中、本当にお疲れ様でした。熊谷先生、平田オリザさんの講演会は非常に興味深く、面白かったです。藤原さくらトーク&ライブも大成功でしたね。分科会も三好先生のからだとことばのレッスンとKさんの電話練習に参加しました。進行がスムーズにいかないこともありましたが、Kさんの一生懸命な思いは伝わりました。WS実行委員の方々、本当にありがとうございました。(40代男性、福岡)

 

・会場がとても良かった。埼玉県に地理的優位があるのですね。企画もとても良かった。熊谷氏・平田オリザ氏、とりわけ平田氏、かつて竹内敏晴氏のワークを経験しましたが、時代状況を的確に掴んだワークショップは楽しいものでした。二重拘束など深いことを易しく語られて敬服しました。(60代男性、東京)

 

・先生方の講話や演習や質疑応答も、さくらちゃんのライブも会員のメッセージ発表もボイストレーニングもよかったです。でも一番よかったのは女子会です。これからのワークショップの中にも必ず女子会を入れていただきたいです。(60代女性、栃木)

 

・全国の様々な吃音当事者の方とお話ができて大変充実した3日間でした!!120%満足です!!出来れば毎年参加したいです。(30代男性、福岡)

 

・実行委員の人たちはよく頑張ったと思います。熊谷氏、平田氏の講演は良かった。(60代男性)

 

・運営お疲れ様でした。ワークショップでの経験が今後に活かされると思います。平田オリザさんの講演が良かった。分かりやすく考えさせられる内容でした。藤原さくらさんのライブ&トークショーも良かった。ドラマを通して社会に吃音が認知されていくのを願います。今回だけでなく、また呼んでほしいです。(30代男性、石川)

 

・私は個人的に言語聴覚士のSさんとペアを組むことができて得るものが多かったのはこのワークショップの最大の成果でした。懐かしい人、初めて会う若い方々、いろいろな人たちとの出会い話しあえる機会があって、やはり50周年に参加してよかったです。いろいろお世話してくださった実行委員のみなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。(60代女性、兵庫)

 

・講演会の講師(2名とも)、今回のテーマ(伝える)に一致しており良かった。(70代男性)

 

・講演・分科会・ライブ等、とても充実したすばらしい内容で、心に残る良い大会だったと思います。最終日の50年の歴史を振り返る、も写真を見ながらで在籍の長い人間としては想い出深くよかったです。今回は、若者の活躍が目立ち、今後の言友会を託していく上で心強く感じました。ただ、人生経験者の場もしっかり残しておいてもらいたい、というのも希望です。人はいくつになっても、より良く生きたいと思うので。(60代女性、茨城)

 

・ライブもしっかり行われ、裏方でセットされた方はご苦労様でした。平田オリザ氏の講演もワークショップも内容豊富で勉強になりました。施設のすばらしさもビックリ。心豊かにゆったり過ごせました。M理事長の「言友会の今」の内容が良かったので、ぜひ全言連ニュースに載せていただきたい。(70代男性、千葉)

 

・非常に多くの示唆と感動と知識を得ることができました。これからの浜松言友会の会活動と、私の日常生活に活かしていきたいと思います。スタッフの皆さん、本当にご苦労さまでした!!(50代男性、静岡)

 

・吃音ワークショップ2016in埼玉、お疲れ様でした。今回、初参加で緊張していましたが、とても楽しく過ごせました。学びや気づきも多く、今後に活かしていきたいと思います。改めて、企画から運営までして下さった埼玉言友会の皆さま、ありがとうございました!(女性)

 

・実行委員の方々、本当にお疲れ様でした!とても有意義な3日間でした。さくらちゃんトーク&ライブ開催していただきとても嬉しいです。生歌最高でしたネ。吃音仲間が増えてよかったです。(20代女性、愛知)

           

※以下は名古屋言友会会報「やろまいか」2016年10月号(通巻349号)より、ご本人の許可を得て転載させていただきました。

 

分科会「マインドフルネス入門」

男性、長野

 今回久しぶりに全国大会に参加してきました。全体について書いても雑ぱくな報告になってしまうので、自分が参加した分科会「マインドフルネス入門~今まで気づかなかったことに気づく練習~」について書きたいと思います。分科会では、臨床心理士の資格をお持ちの埼玉言友会の灰谷さんが講師をされ、マインドフルネスの由来や手法の説明と瞑想などを体験しました。まず「マインドフルネス」とはそもそも何か? ネット上でもいろいろな解釈がありますが、私の共鳴した解釈は「(今という瞬間の)物事の本質に対する気づき」です。分科会では、まず座って目をつぶって、「1日前にやっていたこと」など特定された過去の出来事を思い出すことや呼吸のしかた、身体が触れている床や空気を感じることに集中することによって雑念を払う体験をしました。そして、過去でもなく未来でもなく今実際に生きている現在という時間に余分な判断を加えず、真剣に意識して注意を向けること、を考えました。もしかしたら吃音者の特性かもしれませんが、私自身普段から周囲のささいな事や過去の気づきに神経を使っている傾向があり、それが「今」への集中の妨げになっているような気がします。つまり、全てに意識を注ぐことは全てに意識を注がないのと同義であり、それをマインドフルネスによって心をカラにしてスペースを作り、新しい自然な気づきを手に入れるのだ、と自分なりの解釈を得て帰ってきました。
 毎回毎回ワークショップに参加させていただくと持ち帰るモノがありますが、今回もいくつものモノを持ち帰ってこられた気がします。連休明けからすでに、いつもと同じような気が重い生活が始まっていますが、持ち帰ったモノを自分なりに租借して活かしていきたいと思っています。

 

一生の宝物

10代男性、愛知

 私が今回のワークショップに参加して得たものは、「人との繋がり」です。同じ部屋に宿泊した人と友達になり、たくさんの思い出をつくりました。最初、部屋割りを見たときに知っている人が同じ部屋ではなく、少し不安と緊張が混ざった気持ちになりましたが、実際に部屋に行ってみると、20歳と13歳の人で、年が近かったため、一気に緊張がほぐれて、5分もしないうちに仲良くなりました。最終日には、次回以降のワークショップに参加する機会があったら、そこでまた会おうと約束もしました。
 また、夜のフリートークでは、いろいろな地域の人と話をしました。夏の海例会でも話をしました石川言友会会長の野母さんが特に印象に残っています。初日の夜は3時半まで話していました。2日目の夜は、野母さんとひたすら喋り倒し、気付いたら2時を回っていて、さすがに次の日にかなり堪えました。自販機にあったカフェインの塊のエナジードリンクで凌ぎましたが、寝る時間は自分の体力とよく相談するべきだと身をもって思い知らされました。しかし、これも含めて楽しい思い出となりました。
 私は大勢の人の前で話をすることが苦手です。高校の時に演説をする機会がありましたが、逃げて一言で打ち切ってしまいました。そんな自分と決別するという意志を込めて  2日目に行われたマイメッセージで話をさせていただきました。緊張してまとまりのない、下手な話になってしまいましたが、全員が真剣に耳を傾けて下さり、とても温かい気持ちになりました。
 今回のワークショップでは、友達や年代を超えた友情という、とても大切なものを改めて教えていただき、新たな吃音の世界が見えました。この3日間、本当に密度の濃い時間を過ごすことができ、準備して下さった方々に感謝しています。

 

「吃音ワークショップ2016 in埼玉」に参加して

女性、愛知

 9月17~19日の3日間、「吃音ワークショップ2016 in埼玉」に参加させて頂きました。私にとって全国大会は初めての参加でした。偶然にも今年は記念すべき50周年記念大会、50年の歴史も写真を組み込ませながら紹介されました。「50年」と一言で言ってもピンとこなかったのですが、今まで言友会を作り上げてきた方々が、信念を持ちながら活動した経緯があり、現在があるのだと感じました。このような50周年企画に参加し、「言友会」の歴史を知ることができ良かったです。
 講演会では著名人の先生方が専門的な講義を判りやすく説明され、興味のある内容ばかりでした。また講演ばかりでなく、ライブ等も組み込まれた多彩な構成でした。「藤原さくら」さんのトーク&ライブでは、月9ドラマ作成のエピソードも楽しく語られ、ドラマの中で歌われた歌を目前で聞くことが出来き、ラッキーな気分です。ワークショップの最後でも「清水裕治」さんのリサイタルがあり、歌に乗せてメッセージを伝える力に感動しました。全国の吃音の仲間との語らいも昼夜問わず行われ、夜のフリートークでは深夜までの賑わいも楽しかったです。ワークショップの主旨は「全国各地から多くの吃音のある人やその関係者が集まってきて、様々な問題について話し合うと共に交流を深める」事、その目的は充分に達していたと思います。
 また名古屋言友会の方が運営に関って活躍されている様子を見て「名古屋言友会」が活発な会なのだと実感いたしました。実行委員の埼玉言友会の皆様、会の運営に関った皆様、お疲れ様でした。すばらしい会に参加させて頂き有難うございました。

 

上を向いて歩こう

20代女性、愛知

 2年ぶりの参加となった吃音ワークショップ。私のことを覚えていてくれ、声をかけてくれる方がいらっしゃってとても嬉しかったです。初日は人見知りでなかなか話せずにいた私でしたが、最終日には笑顔も増え、積極的に自分から会話できるようになっていました。
 音楽が好きな私は、分科会『合唱とボイストレーニング』に参加しました。歌ではどもらないので、思い通り声が出る気持ち良さがあり、表現する喜びを感じることができます。そこでは、誰もが知っている名曲を幾つかみんなで歌いましたが、その中でも坂本九さんの『上を向いて歩こう』は寂しさの中にも前向きさを感じられる、大好きな歌です。ワークショップ最終日、シンガーソングライターの清水裕治さんによるリサイタルで「皆さんも一緒に歌ってください」と披露された『上を向いて歩こう』。心に沁みました。
 喋ることから逃げてしまう自分が情けなくなったり、未だに吃音を受け入れていない自分に苛立ったり…、疲れてしまう日々です。でもここでは「どもってもいいんだ」と自分を肯定することができます。気持ちが晴れます。スムーズに言葉にできない、うまく伝えられないもどかしさや悲しみを抱えながら、それでもみんな頑張って生きている。一緒に悩んだり励まし合える仲間がいる。一人じゃない。そう思えた吃音ワークショップでした。
 企画・運営に関わってくださった埼玉言友会の皆様、全言連の皆様、本当にお疲れ様でした。充実した3日間を過ごすことができました。ありがとうございました。

         

※以下はよこはま言友会会報「Y's PRESS」2016年10月号より、ご本人の許諾を得て転載させていただきました。

 

・一昨年の名古屋WSの頃から、若い人や知らない人が多いと感じていましたが、今年は一層そういう感じを受けました。世代交代が進んでいることの頼もしさと同時に、知っている顔が減ってきた少しの寂しさを感じる大会でした。平田オリザ氏の講演は時間延長してでも(無理だけど)質疑応答も含めて最後まできっちり聴きたかった。それと熊谷氏や平田氏の講演資料が欲しかった。よこはまTシャツもなかなかでしたね(^0^)/
 もうフリートークでオールをする体力はないと自覚しました。(50代女性、神奈川)

          

・日帰りコースでしたがメインの二日目ということもあり内容は濃くて目白押しでした。平田オリザさんの講演は劇作家の他に障害者教育もされている経験から、コミュニケーションの取り方やいろいろなゲームなど、言友会でも役に立つ内容だったと思います。
  分科会は「からだとことばのレッスン」「表現のワークショップ」に出ました。力を抜いて、声は内側でなく外側に出すようにして話す、という説明は参考になりました。本で読むのと実際にやるのでは大違いだととても勉強になりました。(40代男性、神奈川)

          

・9月18日 吃音ワークショップinさいたまに参加しました。
 分科会Ⅰ「マインドフルネス入門」、平田オリザ講演会、藤原さくらトーク&ライブ、分科会Ⅱ「ストレスに強くなろう」、懇親会に参加しました。
 「マインドフルネス」。最近はやりですよね。ためしてガッテンでやったり。とても勉強になりました。数年前に、座禅会に興味を持っていたことがありました。お寺でやる座禅とは違い、日常的に思い立ったら瞑想をしようとする生活習慣になったら、とても良いと思います。
 藤原さくらさんのトークで「吃音を昔から知っていた」という発言が印象に残っています。
 平田オリザさんの講演会。お昼ご飯の後で、後半ウトウトしてました。ちょっと忘れた。そうだ! 講演の様子を思い出しながら、下の著書を読めば思い出すかもしれない。ダブルバインドとか冗長率とか言ってたような?著書「わかりあえないことから~コミュニケーション能力とは何か~」講談社現代新書。
 会場は神奈川県にない、宿泊できるボランティア活動にもってこいのいい会場でした。プログラム充実の2日目でとてもよかったです。(30代男性、神奈川)

 

・私は18日(日)の一日だけでしたが、WSに参加しました。
 品川駅からNさん・Iさんと上野東京ラインで大宮へ。東京と上野が繋がって便利になったものです。大宮からはモノレールで現地へ到着。午前の分科会では、身体に力を入れずリラックスして話すことを教えてもらいました。

 昼食後は平田オリザ氏の講演会。
「会話は仲が良い・価値観が同じ者同士でされるもの。」
「対話は価値観が違う人同士で、少しでも分かり合うために行うもの。好きにならなくていい。嫌いにならない様にするのが目的。」との話が印象に残っています。その後は藤原さくらさんのトーク&ライブ。4曲でしたか。どれも素晴らしかったですが、私は500マイルが好きです。
 もっと早く部屋に入り前の方に座れば良かったと少し後悔しました。
 夕方からは2回目の分科会で、電話の受け答えの練習を行いました。
 とても充実した一日で、満足しております。WS実行委員会の皆様、ありがとうございました。(40代男性、東京)

 

 

《悪かった点》

・私もいろいろな言友会の会合に参加してきましたが会長が参加していない会は初めてだ。初日の夕食に酒の出ないワークショップも初めてだ。二日目の夕食の前のマイメッセージは、おなかがすいているのにおあずけはないでしょう。係の人もいつ始まるのか困っていました。(不明)

 

・体育館における、出会いの広場、2日目のマインドフルネス入門に出席しましたが、すこし、声がわれてしまって聞き取りにくく、残念でした。次回以降、参考にしていただければと思います。あと1日目の夕食会の時、はじめから飲み物、アルコール類で乾杯できるとよかったかなー、と思いました。(50代女性、福島)

 

・熊谷先生の講演、平田オリザ先生講演、資料プリントが一枚もなかったのが残念。(不明)

 

・食事が悪すぎる。もっとうまいものが食べたかった。料金が高い。(70代男性、栃木)

 

・藤原さくらさんの座り位置が、客席と同じだったので、姿が見えにくかった。平田オリザ氏の録画再生や講演時のスクリーンが移動式ホワイトボードだったが、舞台上のホワイトボードを左右に開けばその奥に正規のスクリーンがあった!この正規のスクリーンの存在を実行委員諸氏は把握してなかったらしいのは残念。閉会時に譜面台は片付けておくべきでした。(60代男性)

 

・全体の流れで時間がなく「巻く」という時が多かったように思います。これは参加者一人一人が意識して、協力し合わなければなりません。(30代男性、石川)

 

・1日目の熊谷先生の講演会、2日目の平田オリザさんの講演会、ともにレジュメがなかったのは残念でした。このワークショップに来れなかった地元の会員の皆さんにぜひ報告したかったのですが、可能なら後でレジュメを送っていただければ幸いです。2日目午前の女子会トークの分科会はもっと時間をかけて話しあいたかったです。午後の電話練習はLINEをしている人しか参加できない雰囲気だったのは残念でした。台本もコピーして何枚もあった方が参加者全員が一斉に練習できてよかったのでは。この電話練習の分科会は時間がないと無理に早い目に終えられてしまったのは残念でした。感想は全員に話させてもらいたかったです。他の分科会はまだしていたところもあったのでなぜあんなに時間を気にされていたのかわかりません。藤原さくらさんのトークライブはホールでしてほしかったです。見にくかったです。(60代女性、兵庫)

     

●大会総括

 全国吃音ワークショップ2016in埼玉の実行委員長を務めた鶴岡です。 今回、初めて実行委員並びに初参加でもあってワークショップ開催までに色々決めごと等で苦労しました。
 最初、埼玉でワークショップをやろうと決まり実行委員長も正直軽い気持ちで引き受けましたが、やはり大会が近づくに連れて緊張感や不安も出てきました。
 私は、小さい頃から人と話す事が苦手で、高校生の時に吃音が有ることを自覚し、話し方教室に通ったりしました。 当時は、虐めにも遭い対人関係も築く事も出来ませんでした。 そんな中、ネットで見付けた吃音者を対象にした、講演会に初めて参加しそこで出会った友人との繋がりで言友会まで辿り着きました。 言友会に入会して2年余りですが、その中、苦手克服でST交流会の司会を務めたりしてきました。 やっぱり全国規模の大会を開催するチャンスは、無いと感じ自分を成長させる為にも実行委員として出来る事は、一生懸命やろうと決心しました。
 そして、迎えたワークショップ当日は、受付準備や開会式の準備等から行い緊張する間もありませんでした。 先ず、私の役割である実行委員長の挨拶から始まりそれ程緊張せずにスピーチを出来たので第一段階ホっとしました。この後の出会いの広場でのイベントでは、一人一枚トランプを配り数字とマークが一致した人を探して二人一組になって自己紹介等をして途中、進行役の美声の歌も入りとても緊張感が解れるユーニークな内容でとても盛り上がりました。
 シンポジウムの時間や二日目の講演は、途中で抜けたりで全ての時間参加出来ませんでしたが、シンポジウムでは、吃音者以外の障害で脳性まひを患っている小児科医の熊谷晋一郎先生の講演を聴講しその後、吃音とその他の障害について意見を出し合ったりしました。  講演の内容は、難しかったですが、脳性まひと吃音の共通点を見付けたり熊谷先生も吃音の障害について初めて知ることもあり、とても意味のある交流になったなと思いました。  二日目の平田オリザ先生の講演も吃音とは、別でコミュニケーション的な講演でお互いの共通点を探ったり対人関係を良くするユーモアな内容でした。
 吃音者に取っては、苦手意識のあるコミュニケーションに対して人間関係を築き上げる為にも参考になるんじゃないかなと感じました。
 何と言っても藤原さくらさんのトーク・ライブは、最高でした。 ドラマ「ラヴソング」で吃音の女性を演じるに当たり吃音者に対しての思いや感謝が伝わり大変、丁寧なトークで吃音当事者にとっては、励みになり、さくらさんの歌も4曲聴きましたがとても素晴らしい美声でした。   
 この他に言語聴覚士の先生との吃音無料相談会も実施し、相談希望者も多数の応募がありました。当日は、一人50分と言う限られた時間で行い制限時間が過ぎても相談が終わらない方もいました。 やはり言語聴覚士の先生との無料相談は、大変貴重で企画して正解だと思いました。
 最終日は、言友会50周年の式典や言友会の未来像を模造紙に書き出す企画や清水さんのリサイタルライブも行われました。 言友会の未来像では、吃音者が生活し易い環境で世間に広げて行きたいと言った前向きなユーモアな書き込みが多かったです。
 清水さんのライブは、自身も吃音者と有りながらアーティストとして活動され藤原さくらさんに負けない位の歌声でとても良かったと思いました。
 ワークショップ全体を通して例年に無い吃音専門以外の講師の方を呼べたり、TVドラマ主演の女優さんをお招きする事もでき、50回目の記念のワークショップは、大成功したと思っております。 私自身も、各地域の言友会の方やその他の方ともとても深い交流を楽しめたので、是非次回も参加したいなと思いました。
 実行委員のみなさま、全言連のみなさま、そして参加者のみなさま本当にありがとうございました。(大会実行委員長・鶴岡)